読んで面白かったマンガのメモ。Novel Soundsという音楽レーベルを主宰しています。たまにマンガのこと以外。
Novel Sounds お知らせ
matryoshkaのremixアルバムが発売になります。
コンセプトは「もう1枚のzatracenie」
artist: V.A. / title: cocutura
5月20日発売 / 2100円税込
Amazon HMV タワーレコード
初回限定ポストカード付きです。

ブラボー
作:鶴ゆみか (写真は1巻、09年6月刊。以下続刊。少年マガジン)
SATFF:まいっぺ マルセイユの悪童 ムック

吹奏楽部マンガ。
学園ラブコメ。

面白い!

描線が厚みのある柔らかさで、それがこの作品に適している。
人体の柔らかさをうまく現すことに向いているし、
擬音も同じく。官楽器の特性を出すのに、合ってる。

エロい。
特に汗のかき方。生々しくて肉感的。

ひぐちアサさん、元町夏央さん、雁須磨子さんあたりの作品が、
雰囲気としては似ている。

ブラボー!
ンダスゲマイネ
作:楠あると (全1巻。09年6月刊。講談社モーニング)

太宰治のファンマンガ。
作品でなく、太宰本人を主人公とした、二次創作。
太宰を描く視点が独特で、面白さを生んでいる。

ベテラン作家さんだが、
昔から活躍してる作家さんにありがちな「古さ」が無い。
絵やマンガが、ちゃんと時代に適応している。

絵が丁寧だし、上手い。

太宰がショックを受けた時の内面の表現が、秀逸。

ンダスゲマイネ。
獣の奏者
漫画:武本糸会 原作:上橋菜穂子 (写真は1巻、09年5月刊。以下続刊。講談社シリウス)
担当:長岡 杉山 取材協力:藤原養蜂場 cover design:yo-yo raranday(kawai rara)

ファンタジー。

面白い!

感情の運びを、マンガ独特の手法で、うまく表現している。

「間」が解っている人が描いたマンガだな。
表情の表現も、うまい。

静けさをまとった独特の風味があるので、
『蟲師』(漆原友紀)が好きな人などに、お薦めかも。

獣の奏者

武本糸会 official site
新ナニワ
作:青木雄二プロダクション (写真は4巻、09年6月刊。以下続刊。扶桑社SPA!)

マネーゲーム・サスペンス。

情報紹介マンガ。
マンガに含まれる「情報」が、売れている大きい要因だとは思う。

が、それだけに留まらず、やはりマンガとしても面白い。
それは、絵とマンガが、丁寧で誠実であるからだ。
このマンガを「絵が下手」という人は、
絵の上手い下手のそもそもが判っていない人である。

しかし『ナニワ金融道』(青木雄二)のテイストが、そのまま遺っている。
青木雄二さんは故人であるが、
ご存命の時と、ほぼ変わらぬ作品が仕上がっているのである。
それだけ優れたスタッフが終結しているのであろうが、
色んな意味で、考えさせられてしまうな。

例えば、『コーヒーもう1杯』(山川直人)などと比べていただくと、面白い。
表現のために選択した手法は、近いものであるのに、
結果、表現されたモノ、伝えたい印象は、全く異なる。
手法はあくまで目的のための手段なのだ。

新ナニワ金融道
赤羽
作:清野とおる (写真は1巻、以下続刊。ケータイまんが王国)
連載担当:加藤恵 単行本編集:加藤恵 山口陽子 装丁:山口明(ROCKERS)+アイル企画

エッセイマンガ。
めっちゃ面白い!

清野とおるさんに、このスタイルは向いていると思った。
「面白いと思うもの」に対するアンテナの張り方が、
普通の人とはちょっと違う。
そういう人が、素直にエッセイを書くと、それは珍しいものになってしまう。
これは面白くない筈がない。
私はお茶を飲みながら本書を読んで、思いっきり鼻から吹きだしたくらいだ。

この手のテーマでは、「素直であること」がポイントで、
作者が対象を小ばかにするような立ち位置で面白がっていると、これは嫌味である。
作者が素で楽しんでいるからこそ、ほほえましいのだ。

『歩くひと』(谷口ジロー)を彷彿させられた。

絵の雰囲気は、吉本浩二さんや、漫☆画太郎さんに近いな。

あと、全ページカラーなのだが、カラーであることも、
この作品を支えている要素のひとつだと思った。

ところで、清野とおるさんのブログだが、
こちらも、めっちゃ面白い!
読んでみて欲しい。

東京都北区赤羽

清野とおる official site
イヌジニン
作:室井大資 (写真は1巻、08年8月刊。角川書店コミック怪)
編集:及川史朗 資料協力:平野勇 印波延行 金田健 装丁:山下武夫(クラックス)

ハードボイルド。
ホラー・アクション。

山本貴嗣さんの作品(『不夜城』など)や、
福山庸治さんの作品(『臥夢螺館』など)などと、
テイストが近い。

あと、構成が映画っぽい。
1話ごとに、終わったあとに、
エンドロールの音楽が、頭の中でいきなり鳴る。
カッコイイ!

筒井哲也さんの作品(『マンホール』など)が好きな方は、
読んだら面白いと思う。

イヌジニン

室井大資 official site
臨機応変マン
作:ガモウひろし (全4巻。86〜88年。月刊ジャンプ)

おやじギャグマンガ。

おやじギャグだと侮るなかれ。
1コマに1ギャグ以上と、密度が凄い。
おやじギャグでもこれだけやると、なんかグルーブ感みたいのが出てくる。
泥臭い演奏も、迫力や表情となる場合もあるのだ。
丁寧だからだろうな。

実は、自分が小学生の時に一番好きだったマンガである。
当時、ヒーローなのに変な顔、お金に弱いしあばら屋に住んでいる、という設定に、
なんだかストイックさや哀愁を、小学生ながらに感じていた気がする。
あと、本作を読んだら、必ずカップラーメンが食いたくなったものである。笑

今、読み返してみて思うのは、
ガモウひろしさんと相原コージさんは、
創作の根源や方法論が、本質的には似ているな、という事。
4巻収録の読切、「根暗仮面」を読めば、それが顕著に解ると思う。

臨機応変マン